積立と一括は何が違うのか。なぜ初心者に積立が勧められるのか
しくみパパ
まとめて買ったほうが早いのでは、とも思っていたので、そこを調べ直しました。
- 積立と一括の違い
- 買った値段が「平均される」とはどういうことか
- 数字で見ると、実際どうなるのか
- 下がった月に、一括と積立で数字がどう違って見えるか
- ボーナス月の増額・月の途中で始めた場合はどうなるか
- 一括と積立の中間という選び方
- 積立が向かない場面もあるということ
- 初心者に積立が勧められる、いちばん大きな理由
ひとことで言うと
| 積立 | 一括 | |
|---|---|---|
| 買い方 | 毎月同じ額を少しずつ | 一度にまとめて |
| 買う値段 | 高いときも安いときも買う | その1回の値段で決まる |
| タイミングの判断 | 不要(自動) | 自分で決める必要がある |
| 必要な資金 | 毎月の余剰でよい | まとまった額が要る |
しくみパパ
横文字ですが、やっていることは「毎月1万円ずつ買う」だけです。難しい操作は何もありません。
「平均される」とは、どういうことか
ここが積立の中心です。金額を固定すると、買える量が自動で変わります。
値段が高い月は少ししか買えません。値段が安い月はたくさん買えます。
つまり「安いときに多く買う」が、意識せずに起きます。
数字で確かめます
毎月10,000円ずつ、4か月買った場合です。
| 月 | 1個あたりの値段 | 買えた量 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 10,000円 | 1.0個 |
| 2か月目 | 8,000円 | 1.25個 |
| 3か月目 | 5,000円 | 2.0個 |
| 4か月目 | 8,000円 | 1.25個 |
| 合計 | 40,000円 | 5.5個 |
| 計算 | 結果 | |
|---|---|---|
| 4か月の値段の平均 | (10,000+8,000+5,000+8,000)÷4 | 7,750円 |
| 実際に買えた平均 | 40,000円 ÷ 5.5個 | 約7,273円 |
※説明のための例です。実際の商品の値動きや実績ではありません。手数料は考えていません。
しくみパパ
理由は値段が5,000円まで下がった月に、いつもの倍の量を買っていたからです。狙って買ったわけではありません。
積立が効くのは上下に動いたときです。どちらが良かったかは、あとにならないと分かりません。
同じ下落でも、見え方が変わります
上の4か月の例を、途中の時点で止めて見てみます。値段が10,000円から5,000円まで下がった、3か月目の終わりです。
しくみパパ
それでも一括で買っていた場合と積立の場合とでは、画面に出てくる数字がまるで違いました。
| 3か月目の終わり | 一括(1か月目に40,000円) | 積立(毎月10,000円) |
|---|---|---|
| ここまでに出したお金 | 40,000円 | 30,000円 |
| 持っている量 | 4.0個 | 4.25個 |
| 評価額(1個5,000円) | 20,000円 | 21,250円 |
| 出した額との差 | −20,000円 | −8,750円 |
しくみパパ
自分が出したお金(元本)とは別の数字で、こちらは毎日動きます。画面で減っているように見えるのは、この評価額のほうです。
そして4か月目、値段が8,000円まで戻った時点です。
| 4か月目の終わり | 一括 | 積立 |
|---|---|---|
| ここまでに出したお金 | 40,000円 | 40,000円 |
| 持っている量 | 4.0個 | 5.5個 |
| 評価額(1個8,000円) | 32,000円 | 44,000円 |
| 出した額との差 | −8,000円 | +4,000円 |
※説明のための例です。実際の商品の値動きや実績ではありません。手数料・税金は考えていません。
積立は下がった月にも買い続けます。同じ1万円で多くの量が買えるので、下落がそのまま「安く買えた月」になります。
積立が優れているわけではありません。違うのは、下がった局面で手が止まりにくいかどうかです。
しくみパパ
下がった月に画面を開いて、マイナスだけが並ぶのか、量が増えているのも見えるのか。ここが分かれ目です。
積立の設定で決めること
「積立を始める」と言っても、実際の画面ではいくつか決める項目があります。
| 決めること | 選択肢 | 考え方 |
|---|---|---|
| 金額 | 100円〜 | いちばん厳しい月でも出せる額にする |
| 頻度 | 毎月/毎週/毎日 | 毎月で十分。細かくしても結果は大きく変わらない |
| 引き落とし日 | 好きな日 | 給料日の直後にすると、使う前に引かれる |
| 引き落とし元 | 証券口座/銀行/カード | 取扱いは金融機関による |
給料が入った直後に引かれる形にしておけば、残りで暮らすことになるので、判断そのものが要らなくなります。
しくみパパ
「余ったら積み立てる」ではなく、先に取り分けて、残りで暮らす。順番を逆にするだけで、続き方が変わります。
むしろ家計の把握がしにくくなるので、毎月1回のほうが分かりやすいと考えています。
金額はあとから変えられます
始めるときに一番迷うのが金額だと思いますが、ここは固定ではありません。
| やりたいこと | できるか |
|---|---|
| 積立額を増やす/減らす | できる |
| いったん止める | できる |
| 止めたあと、また始める | できる |
| 持っている分だけ残して積立だけ止める | できる |
※手続きの方法や反映されるタイミングは金融機関によって異なります。
「厳しいから全部売る」ではなく、まず積立額を下げるという選択肢があることを知っておくと、判断に幅が出ます。
よくある疑問
設定の画面を前にすると出てくる疑問を、まとめて並べます。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| ボーナス月だけ増やせる? | できるところが多い。「ボーナス月設定」として別に指定する |
| 月の途中で始めたら、今月分は? | 締切日を過ぎていれば翌月からになる |
| いくらから始められる? | 100円からのところが多い |
| 積立と一括を両方やってもいい? | できる。積立を続けたまま、別に買い足すことも可能 |
※金額の下限・締切日・ボーナス月設定の有無は金融機関によって異なります。実際の画面で確認してください。
ボーナス月の増額について
年に2回など、決まった月だけ金額を上乗せする設定です。毎月の負担を上げずに年間の合計を増やせるので、ボーナスがある働き方の人には合う形になります。
しくみパパ
毎月同じ額だけで組み立てるしかないぶん、「毎月確実に出せる額はいくらか」がそのまま設計になります。
枠の詳しい話はこの記事の範囲を超えるので、NISAの記事に分けてあります。
月の途中で始めた場合
申し込んだその日に買われるわけではありません。金融機関ごとに「毎月◯日が買付日」「◯日までの申込は当月分」という決まりがあり、締切を過ぎていれば最初の買付は翌月になります。
タイミングを気にして先延ばしにするより、設定を終わらせてしまうほうが確実だと考えています。
積立が向かない場面
| 場面 | どう考えるか |
|---|---|
| すでにまとまった資金がある | 積立にすると、使われていないお金が長く待つことになる |
| 近いうちに使う予定がある | そもそも投資に向かない。貯金で持つ場面 |
| 毎月の収支が安定していない | 積立額を下げる。止めるより続けるほうが大事 |
一括と積立の、中間もあります
しくみパパ
まとまった資金を、自分で決めた回数に分けて入れるという形があります。決まった呼び名はないようなので、ここでは「分けて入れる」と書きます。
「まとまったお金はあるが、今日の値段で全部買うのは怖い」——この場合の選び方です。120万円を持っているとして並べます。
| 入れ方 | やること | 特徴 |
|---|---|---|
| 一括 | 今日、120万円を全部 | その1日の値段で決まる。上がれば最も伸び、下がれば最初から大きく減る |
| 分けて入れる | 毎月10万円を12回 | 買う値段が1年分に散る。1回の判断の影響が小さくなる |
| 毎月の収入から積立 | 120万円は手をつけず、毎月1万円 | 120万円が使われないまま置かれ続ける |
どちらが良かったかは、やはりあとにならないと分かりません。先に決められるのは「自分がどちらなら後悔しにくいか」だけでした。
※どの入れ方が有利になるかは、その後の値動きによって変わります。結果を保証するものではありません。
順番としては、まず毎月の額を決めるほうが先です。
初心者に積立が勧められる、いちばん大きな理由
平均される話はよく出てきますが、それより大きい理由があると感じました。
積立は設定した時点で判断が終わります。あとは自動で続きます。迷う場面そのものが消えます。
しくみパパ
積立が向いているのは、まさに意志を使わずに済む形だからだと思いました。
積立にしただけでは足りません。毎月確実に出せる額まで下げておく必要がありました。
まとめ
- 積立は毎月同じ額、一括は一度にまとめて買う方法
- 金額を固定すると高い月は少なく、安い月は多く買える。これが平均される仕組み
- ただし上がり続けた場合は一括のほうが結果が良い。先には分からない
- 下がった月に「安く買えた月」になるのが積立。一括は評価額が減るだけ
- まとまった資金があるなら、回数を分けて入れるという中間の形もある
- いちばん大きな利点は判断する回数が減ること
- 積立にしても金額の決め方を間違えると続かない
大事なのは方法を選ぶことではなく、「毎月確実に出せる額はいくらか」を先に出しておくことのほうです。そこが決まっていないと、どちらを選んでも止まります。
しくみパパ