証券口座の開設で何を聞かれて、何を用意するのか
しくみパパ
年収や投資経験まで聞かれると、身構えてしまいます。先に一覧にしておけば止まりません。
- 持っている書類の組み合わせで、手間がどう変わるか
- 聞かれること全部と、それぞれ何のための質問なのか
- 迷いやすい2つ(配当金の受取方法・電子交付)の選び方
- 本人確認のやり方で日数が変わること/差し戻されやすいところ
- 口座ができたあと、画面で確認しておくこと
申し込みから口座ができるまでの全体の流れ(金融機関を決める→申し込む→税務署の確認を待つ→積立を設定する)はNISAの始め方にまとめてあるので、先に流れをつかみたい方はそちらへどうぞ。
書類の組み合わせで、手間が変わります
申し込み自体はスマホで進みますが、手元にある書類の組み合わせで、撮る枚数が変わります。先にここを確認しておくと、途中で止まりません。
| 持っているもの | 必要な枚数 | 手間 |
|---|---|---|
| マイナンバーカードがある | これ1枚で足りる場合が多い | いちばん早い |
| 通知カードしかない | 通知カード+運転免許証など2点 | 撮影する枚数が増える |
| どちらもない | 住民票(マイナンバー記載あり)などで代用 | 取り寄せる時間がかかる |
※認められる書類の組み合わせは金融機関によって異なります。申し込み前に各社の案内をご確認ください。
聞かれることの一覧と、その理由
ここが本題です。知らない質問が出てくる順番に並べました。
| 聞かれること | 何のための質問か | 答え方 |
|---|---|---|
| 氏名・住所・生年月日 | 本人確認 | 書類と1文字も違わないように |
| 口座の種類 | 税金の手続きを誰がやるかの選択 | 手続きを増やしたくないなら「特定口座(源泉徴収あり)」 |
| NISA口座を開設するか | 税金がかからない枠を同時に申し込むか | 使う予定があるならここでチェック。忘れると通常の口座だけができる |
| 職業・勤務先 | インサイダー取引の防止のため | 記入は全員。上場企業などにお勤めの方は追加の登録あり |
| 年収・金融資産 | 法律で定められた確認(その人に合った商品かの判断) | 正直に答えてよい。少額でも口座は作れる |
| 投資の経験・目的 | 同上 | 「経験なし」で問題ありません |
| 配当金の受取方法 | 株の配当をどこで受け取るか | あとから変更できる。詳しくは次の項で |
| 電子交付にするか | 取引の書類を紙で受け取るか | 電子にすると郵便物が届かない |
| 出金先の銀行口座 | お金を戻す先 | 本人名義のみ |
しくみパパ
勤務先を聞かれるのはその確認のためで、疑われているわけではありません。追加の登録が必要になるのは上場企業やその関係会社にお勤めの方だけで、多くの人は記入して終わりです。
投資の経験がないこと、資産が少ないことを理由に口座が作れない、という話ではありません。正直に答えるのが正解です。
特に迷いやすい2つの質問
配当金の受取方法
株を買う予定がなければ関係が薄い項目ですが、あとで効いてくる場合があるので触れておきます。
しくみパパ
これは売って得る利益とは別のものです。違いは投資で利益が出る仕組みに書きました。受取方法とは、そのお金をどこで受け取るかの選択です。
| 受取方法 | どこで受け取るか | 特徴 |
|---|---|---|
| 株式数比例配分方式 (証券口座で受け取る) | 証券口座 | NISA口座で買った株の配当に税金がかからないようにするには、これを選ぶ必要があります |
| 登録配当金受領口座方式 (銀行口座で受け取る) | 指定した銀行口座 | 複数の証券会社の分をまとめて受け取れる |
| 配当金領収証方式 (紙の用紙で受け取る) | 郵便局など | 届いた用紙を持って受け取りに行く |
※名前は3つとも長いですが、中身は「証券口座で受け取る/銀行口座で受け取る/紙の用紙で受け取る」の3択です。NISAで株の配当まで狙うなら1つ目、というだけ覚えておけば足ります。
※投資信託の分配金の扱いは商品や口座によって異なります。設定は後から変更できるのが一般的ですが、詳細は各社の案内をご確認ください。
電子交付にするかどうか
取引のたびに作られる報告書を、紙で受け取るか画面で見るかの選択です。
ただし口座開設の完了通知など、最初の郵便物は届く場合があります(本人確認を郵送で行う方式のとき)。
本人確認のやり方で、かかる日数が変わります
同じ会社でも、選ぶ方法によって日数が変わります。ここは事前に知っておくと待ち方が変わります。
| 方法 | やること | 日数の目安 |
|---|---|---|
| スマホで完結する方法 | 書類と自分の顔をその場で撮影して送る | 数日程度 |
| 画像をアップロードする方法 | 書類を撮って送り、結果は郵送で受け取る | 1週間前後 |
| 郵送でやり取りする方法 | 申込書を取り寄せて記入し、返送する | 2週間程度になることも |
※日数は一般的な目安であり、金融機関・時期・書類の状態によって変わります。実際の所要日数は各社の案内をご確認ください。
しくみパパ
NISA口座を同時に申し込んだ場合はもう1つ別の確認が入り、待ち方が変わります。そちらはNISAの始め方に書きました。
差し戻されやすいのは「文字の食い違い」です
審査で止まる理由は、投資の知識とは関係のないところにあります。
| 差し戻しの原因 | 中身 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 住所が違う | 引っ越し後に書類の住所を変更していない | 先に書類側を最新にする |
| 書類が読めない | 撮影時の反射・見切れ・ぼけ | 四隅まで入れて、明るい場所で撮る |
| 有効期限切れ | 免許証などの期限が過ぎている | 申し込み前に確認する |
| 名義が違う | 出金先の銀行口座が家族名義 | 本人名義の口座を用意する |
| 入力の表記ゆれ | マンション名の省略、旧字体など | 書類のとおりに入力する |
ただしやり取りの分だけ日数は延びます。最初に住所と有効期限だけ確認しておくと早く済みます。
口座ができたら、申し込んだとおりになっているか画面で確かめる
申し込み画面での選択が、そのまま反映されているとは限りません。ここまで見てきた質問の答え合わせを、開設直後に1回だけしておきます。
| 確認するところ | 何を見るか |
|---|---|
| ①初期パスワード | 郵送や画面で渡された初期設定のままにしない。ここだけは確認ではなく変更 |
| ②口座の種類 | 特定口座になっているか、NISA口座は申し込めているか |
| ③配当金の受取方法 | 選んだ方式になっているか(NISAで株の配当まで狙うなら1つ目) |
| ④電子交付の設定 | 紙の郵送を止めたい場合はここ |
しくみパパ
この先の入金と積立の設定はNISAの始め方に、毎月いくらにするかは家計のほうで決める話なので先取りの金額の決め方に書きました。
よくある質問
| 質問 | 答え |
|---|---|
| 申し込みにどれくらい時間がかかりますか | 入力そのものは30分ほどです。時間がかかるのは、そのあとの審査を待つ期間です |
| 途中でやめても大丈夫ですか | 大丈夫です。申し込みを完了しなければ口座はできません。費用も発生しません |
| 会社に知られませんか | 証券会社から勤務先に連絡がいくことはありません。上場企業にお勤めの場合は、社内規則で届け出が必要なことがありますので、勤務先の規則をご確認ください |
| 配当金の受取方法は、あとから変えられますか | 変えられるのが一般的です。ただし変更の反映には締切があり、直近の配当には間に合わないことがあります。各社の案内をご確認ください |
| 口座ができたら、すぐ買わないといけませんか | いいえ。放置しても費用や罰則はありません。器だけ持っておくことができます |
※手続きの内容・必要書類・日数は金融機関によって異なります。実際の申し込みでは各社の案内に従ってください。
まとめ
- マイナンバーカードが1枚あるかどうかで、撮る枚数と手間が変わる
- 聞かれるのは本人確認のほかに口座の種類・NISAを同時に作るか・職業と勤務先・年収・投資経験
- 職業と勤務先の記入は全員。上場企業などにお勤めの方は、それに加えて登録の手続きがある
- 年収や経験の質問は法律にもとづく確認。正直に答えてよく、落ちる材料ではない
- 止まる原因は投資の知識ではなく住所の食い違いと書類の写り。本人確認の方法でも日数が変わり、スマホ完結がいちばん早い
- 口座ができたらパスワードを変え、選んだとおりの設定になっているか画面で確かめる
申し込みで手が止まるのは、知識が足りないからではありませんでした。意味の分からない質問が1つ出てくると、そこで止まります。先に一覧で見ておけば、あとは書類を撮るだけの作業になります。
そしてこの手続きで長いのは、入力ではなく待っている期間のほうです。申し込んだあと数日から2週間、何も起きない時間があります。そこで不安になるのが普通で、異常ではありません。
しくみパパ
待っている間に、毎月いくらなら確実に出せるかを家計から出しておくと、そのまま進めます。