『意志の力ではなく、仕組みで貯める。』手取り36万・0歳児パパの記録
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家計を仕組み化2026.09.24 公開

先取りの金額はどう決めるのか。無理のない額の出し方

しくみパパ
先取りの金額を「1万円くらいなら大丈夫だろう」と感覚で決めて、半年で止めました。
止まった理由はいくつか重なっていますが、その1つが1万円という数字に自分の実績が1円も入っていなかったことです。この記事ではそこを扱います。
この記事で分かること
  • 先取りする金額は1種類ではない。「備え」と「貯金」を分けて考える
  • 「手取りの2割」のような目安から入ると、なぜ崩れるのか
  • 過去6か月の実績から先取り額を出す4つの手順
  • ボーナスが無い家計の組み方と、金額を下げるという判断

先取りする金額は、1種類ではない

金額の話に入る前に、分けておかないといけないものがあります。「先取り」と呼んでいるものの中に、性質の違う2つが混ざっています。

しくみパパ
1つは年払いへの備え、もう1つが純粋な貯金です。
どちらも給料日に取り分けますが、減っていい前提かどうかがまったく違います。

つまずきやすいところ:「備え」と「貯金」は別物

同じ「先取り」でも、この2つを混ぜると金額を見誤ります。

 備えの先取り貯金の先取り
正体年払い・半年払いの支払いを月割りしたもの将来のために積み上げるお金
性質支払い済みのお金を預けているだけ本当に増えていくお金
いつ減るか請求が来た月に、予定どおり減る基本的に減らさない
扱い固定費として扱う(家賃と同じ)資産として扱う
決める順番先に決める備えを引いた残りから決める
私の額毎月17,026円現在0円(2026年11月から10,000円)

備えのほうを先に確保しないと、年1回の請求が来た月に、貯金として取り分けた分を取り崩すことになります。そうなると、貯金しているつもりで年払いを払っていただけ、という状態になります。

よくある目安「手取りの2割」から入ると崩れる

金額の決め方として、よく紹介される目安があります。

よく見る目安手取り36万円だといくらか言われている理由
手取りの1割36,000円無理なく始められる最低ライン、とされる
手取りの2割72,000円いちばんよく見かける目安
手取りの3割108,000円独身・実家暮らし向けとされることが多い
生活費の6か月分を先に作る目標額として設定先に緊急時の備えを作る考え方

これらの目安が間違っているわけではありません。問題は使い方のほうです。

目安は「他人の平均」であって、自分の家計の実績ではありません。手取りが同じ36万円でも、共同の財布への拠出があるか、返済があるか、年払いがいくらあるかで、出せる額はまったく変わります。目安から出した金額には、自分の実績が1円も入っていません。

私の場合、返済だけで毎月91,830円あります。この状態で「手取りの2割だから72,000円」と決めていたら、1か月ももたなかったはずです。

目安を見るのは、決めたあとにする 実績から出した金額が目安より小さくても、それが自分の現在地です。目安に合わせて金額を上げるのは、実績を無視して希望を書くのと同じことになります。目安は「いつかここを目指す」という行き先として持っておけば十分です。

先取り額を出す4つの手順

やることは4つです。カード明細と銀行の入出金があればできます。

  1. 過去6か月の収支を、月ごとに出す。平均ではなく、月ごとに1つずつ出します。このとき年払い・半年払いの支出は、各月の収支から抜いておきます(毎月ではない支出なので、③で月割りにして引き直すためです)
  2. いちばん厳しかった月を見つける。いちばん残らなかった月を1つ選びます
  3. 年払いの備えを先に確保する。毎月ではない支払いを12で割った額を、先に引きます
  4. 残った額を貯金の先取り額にする。厳しい月でも出せた額です

手順①:過去6か月の収支を、月ごとに出す

しくみパパ
収支とは、入ってきたお金から出ていったお金を引いた残りのことです。
プラスなら黒字、マイナスならその月は貯金を取り崩しているということになります。

1円単位で合わせる必要はありません。ここで欲しいのは正確な帳簿ではなく、どの月がいちばん厳しかったかという順番だけです。

年払い・半年払いを抜いておくのは、二重に引かないためです。年払いが来た月の収支には、その支払いがすでに入っています。抜かないまま③で月割りの備えをもう一度引くと、その月だけ同じ支出を2回引くことになります。抜いてしまえば、6か月とも同じ条件で並びます。

※注意点が1つあります。赤字を埋めるために使ったお金を、収入に数えないこと。取り崩し・キャッシング・持ち物の売却で入ってきたお金は収入ではありません。私は6か月でこれが約320,000円ありました。これを収入に混ぜると、黒字に見えてしまいます。

手順②:いちばん厳しかった月を見つける

ここがいちばん大事なところです。平均を使ってはいけません。

6か月の平均を取ると、そこそこ現実的に見える数字が出ます。ただし平均の月は実在しない月です。実際に来るのは、平均より良い月と、平均より悪い月だけです。平均で決めると、平均より悪い月には守れません。それはだいたい半分の月に来ます。

私の6か月でいうと、黒字だったのは2か月、赤字が4か月でした。この6つを平均すると1つの数字が出ますが、その数字どおりの月は、6回のうち一度も来ていません。平均は「起きたことの真ん中」であって、「起きた月」ではないからです。

先取りの金額は、来なかった月ではなく実際に来た月の中でいちばん厳しかった1回に合わせます。そこで出せた額なら、残りの5か月はもっと楽に出せます。逆に平均に合わせると、悪いほうの月が来るたびに崩れ、崩れるたびに「今月は無理だった」が積み上がります。

手順③:年払いの備えを先に確保する

毎月ではない支払いを全部書き出して、合計を12で割ります。この額を、貯金より先に取り分けます。①で各月から抜いておいた分を、ここで毎月分としてならして引き直すという手順です。これで、年払いが来た月も来なかった月も、同じ形で比べられます。

私の場合は毎月17,026円 カード明細を6か月分並べたところ、翌年以降も必ず出ていく年払い・半年払いが年204,310円ありました。12で割ると毎月17,026円です。
この17,026円を引かずに先取り額を決めていた頃は、毎月17,026円足りない状態で家計を回していたことになります。余るはずがありませんでした。

手順④:残った額を貯金の先取り額にする

いちばん厳しかった月の収支から、備えの17,026円を引いた残り。それが貯金の先取り額です。

たいていの人は、ここで出てくる金額に落胆します。目安から計算した額よりずっと小さいからです。ただしこの小さい額は、実際に出せたことが証明されている額でもあります。

しくみパパ
私の場合、この計算をした結果貯金の先取り額はゼロでした。
6か月の収支の累計が−521,370円なので、当然といえば当然です。

出てきた額がゼロだったとき

ここは正直に書きます。実績から計算すると、先取りできる額がゼロやマイナスになることがあります。

私の実績数字
手取り360,000円(ボーナスなし)
共同の財布への拠出150,000円
返済(講座66,000+パソコン19,380+スマホ6,450)91,830円
年払いへの備え17,026円
6か月の収支の累計−521,370円
実績から出せる貯金の先取り額0円

ここで「それでも1万円は先取りするべきだ」と決めれば、また同じところで止まります。実際、私は一度それをやって半年で止めました。

やったのは、先取りできる日を先に決めることでした。返済が1つ終わる2026年11月に合わせて、毎月10,000円で積立を再開する予定です。返済に充てていた分がそのまま浮くので、生活を何も変えずに先取りの原資ができます。

※これは私の場合の金額と時期です。おすすめの金額ではありません。収入・支出・家族構成で変わります。

ボーナスが無い家計は、月額だけで設計する

私は手取り36万円のボーナスなしです。この場合、金額の決め方が少し変わります。

 ボーナスがある家計ボーナスが無い家計
年払いへの備えボーナスで払う組み方もできる月割りで積むしかない
大きな出費ボーナスで吸収できる毎月の備えから出す
先取り額の根拠年単位でも組める毎月の実績だけ
崩れたときの回復ボーナス月にまとめて戻せる戻す機会が無いので崩さない設計が要る
設計の重心年間の合計で帳尻を合わせる毎月同じ額で回る形にする

差が大きいのは崩れたあとです。ボーナスがあれば、崩れた分を年2回まとめて取り返す道があります。無い場合はその機会が来ないので、そもそも崩れない額にしておく必要があります。

だから私は、金額を大きくすることより「厳しい月でも出せるか」のほうを優先しています。

金額を下げるのは失敗ではない。止まるのが失敗

最後に、いちばん伝えたいところです。

やり方1年後3年後状態
月50,000円で始めて2か月で止まる100,000円100,000円止まったまま
月10,000円で続ける120,000円360,000円続いている
月5,000円で続ける60,000円180,000円続いている
月30,000円→月10,000円に下げて続ける150,000円390,000円下げたが続いている

※これは金額を単純に掛け算した比較で、利息や運用による増減は含んでいません。

表の1行目と2行目を比べると分かります。大きい額で止まるより、小さい額で続けたほうが、最終的に大きくなります。

だから、生活が苦しくなったときにやるべきことは「気合いで守る」ではなく「金額を下げる」です。下げれば続きます。止めると、そこで数字が固定されます。

見直すタイミングを最初から決めておく 私は半年ごとに見直すことにしています。直近6か月でいちばん厳しかった月を見て、出せた額に更新します。返済が終わったときは、浮いた分を生活水準に回さず、そのまま先取り額に足します。3か月続けて守れなかったときは、迷わず下げます。

よくある質問

質問答え
明細が6か月分そろいません3か月からでも始められます。ただし年1回の支払いが映らないので、通帳を1年分ざっと見て補ってください
金額が小さすぎてやる気が出ません金額ではなく続いた月数を数えてください。3か月続いた実績のほうが、崩れた5万円より価値があります
備えと貯金は同じ口座でいいですか分けたほうが確実です。備えは減る前提、貯金は減らさない前提なので、同じ場所にあると区別がつかなくなります
ボーナスは先取り額に入れていいですか入れないほうが安全です。よくやってしまうのが年2回ぶんを12で割って毎月の先取り額に足すという組み方ですが、これをするとボーナスが減った年に、毎月の家計のほうが崩れます。毎月の金額は毎月入るお金だけで組み、ボーナスは出たときに別で扱うほうが安全です
収入が増えたら金額も上げるべきですか上げてよいですが、3か月ぶんの実績が出てからにしてください。上がった直後は支出も一緒に増えていることが多いです
家族と共通の財布がある場合は自分が出す分を固定費として先に引いてから考えます。私は月15万円を共同の口座に入れ、その残りで組んでいます

まとめ

この記事のまとめ
  • 先取りするものは2つある。年払いへの「備え」と、純粋な「貯金」
  • 備えを先に確保する。私は毎月17,026円で、これは貯金ではなく固定費として扱う
  • 「手取りの2割」などの目安には自分の実績が1円も入っていないので、最初の金額の材料にしない
  • 過去6か月の収支を月ごとに出し、いちばん厳しかった月でも出せた額を先取り額にする
  • 平均は使わない。平均の月は実在しない
  • ボーナスが無い家計は、崩れても取り返す機会が無いので崩れない額で組む
  • 金額を下げるのは失敗ではない。止まることが失敗

この手順を踏むと、たいていは自分が思っていたより小さい金額が出ます。私の場合はゼロでした。その金額に落ち込む必要はありません。それは「出せない」という結果ではなく、「いまはここまで」という現在地が分かったということです。

現在地が分かれば、次にやることも決まります。私の場合は返済が終わる月を待つことでした。金額を大きく見せても家計は変わりませんが、現在地を正しく知ると、いつ何が変わるかが計算できるようになります。

しくみパパ
先取りの金額は、決意で決めるものではなく計算で出てくるものでした。
これに気づくまで、私は半年ぶん遠回りしています。
しくみパパ
しくみパパ会社員 / 0歳児のパパ

高卒 → 個人事業主・アルバイト → 会社員。手取り36万・ボーナスなしで、AIを使って貯金と投資の仕組みを作っています。毎月の収支と資産をそのまま公開しています。

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