元本・資産・評価額。似ているけど全部ちがいます
しくみパパ
「元本」「評価額」「評価損益」。結局どれが自分のお金なのかが分かりませんでした。ここを整理します。
- 元本・評価額・評価損益の区別
- 「資産」という言葉が何を指しているのか
- なぜ「まだ利益ではない」と言われるのか
- 画面のどの数字を見ればいいのか
3つの言葉を、一度に並べます
| 言葉 | 意味 | ひとことで |
|---|---|---|
| 元本 | 自分が出したお金の合計 | 入れた額 |
| 評価額 | いま売ったら、いくらになるか | いまの値段 |
| 評価損益 | 評価額から元本を引いた差 | いまのところの増減 |
この3つは「入れた額」「いまの値段」「その差」という関係です。
評価額のほうが大きければプラス、小さければマイナス。それだけの関係です。
数字で見てみます
| 3か月目 | 6か月目 | |
|---|---|---|
| 元本(出した額) | 30,000円 | 60,000円 |
| 評価額(いまの値段) | 31,500円 | 57,000円 |
| 評価損益 | +1,500円 | −3,000円 |
※毎月10,000円を積み立てた場合の例です。実際の商品の実績ではありません。
しくみパパ
元本が増えたから資産が増えた、ではありません。自分が入れた額が増えただけです。
つまずきやすいところ:「評価」という言葉の意味
「評価」と付いているのは、まだ確定していないという意味です。
| 状態 | 呼び方 | |
|---|---|---|
| 持ったまま | 値段が動いているだけ。まだ何も確定していない | 評価損益(含み益・含み損) |
| 売った | 確定した | 実現損益 |
逆に評価額が上がっていても、売らなければ手元にお金は入りません。下がって元に戻ることもあります。
しくみパパ
「含み」という言葉が付いていたら、まだ紙の上の数字だと思ってよさそうです。
もう2つ、画面に出てくる言葉
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 口数(くちすう) | 投資信託を数える単位。「何個持っているか」にあたる |
| 取得単価 | 平均していくらで買えたか。積立だと毎月値段が違うので、その平均 |
しくみパパ
その平均が取得単価です。いまの値段がこれより高ければプラス、低ければマイナスと読めます。
いまの値段 < 取得単価 → マイナス
つまり評価損益とは、「平均でいくらで買えたか」と「いまいくらか」の勝負の結果です。
実現損益との違い
もう1つ、混ざりやすい言葉があります。
| 言葉 | いつの話か | 税金は |
|---|---|---|
| 評価損益 | 持ったまま。まだ確定していない | かからない |
| 実現損益 | 売った。確定した | かかる(利益が出ていれば) |
だから「売らずに持ち続けている間は、増えた分にも税金がかからないまま働き続ける」ことになります。長く持つことが有利に働くと言われる理由の1つがここです。
※NISAの中で買っていれば、売って確定したときも税金はかかりません。
「資産」という言葉は、もっと広い意味です
ここも混ざりやすいところです。
| 言葉 | 指す範囲 |
|---|---|
| 元本・評価額 | 投資している分だけの話 |
| 資産 | 持っている財産の全体。預金・投資・現金などをすべて足したもの |
| 純資産 | 資産から借金を引いたもの |
このブログで資産の数字を出すときは、返済の残りも並べて書くようにしています(はじめましての記事も、月次レポートもこの形です)。
しくみパパ
引いた後の数字を見る。ここは自分への戒めでもあります。
下がった月の画面を、実際に読んでみます
言葉の説明だけだと、いざ自分の画面が赤くなったときに固まります。下がった月の例を先に見ておきます。
| 画面の表示 | 数字の例 | 意味 |
|---|---|---|
| 取得金額(元本) | 120,000円 | 12か月×1万円を入れてきた |
| 評価額 | 109,200円 | いま売ったらこの金額 |
| 評価損益 | −10,800円 | いまのところ9%のマイナス |
※説明のための例です。実際の商品の実績ではありません。
この画面を見たとき、確認すべきことは2つだけです。
②積立は予定どおり続いているか……続いていれば、今月は同じ金額で多くの口数を買えています。
しくみパパ
赤い数字は「失ったお金」ではなく、まだ動いている途中の数字——そう読めるかどうかが分かれ目です。
言葉を知らないと、実際に何に困るのか
用語の話は退屈ですが、知らないままだと具体的に困る場面があります。
| 場面 | 知らないと起きること |
|---|---|
| 下がった月に画面を見た | 評価損益を「確定した損」と読んで、慌てて売ってしまう(そこで本当に損が確定する) |
| 「資産◯◯万円」という発信を見た | 借金を引く前か後か分からないまま、自分と比べて焦る |
| 売ろうとした | 評価額のまま受け取れると思っていたら、税金が引かれて想定より少ない |
| 家計簿に書こうとした | 元本と評価額のどちらを書くか決めていないので、月ごとに数字の意味がバラバラになる |
1つの欄に混ぜると、増えた理由が「入金したから」なのか「値上がりしたから」なのか、あとで区別できなくなるからです。
上がった月の画面も、同じ形で読めます
下がった月だけでなく、上がった月にも同じ落とし穴があります。
| 画面の表示 | 数字の例 | 意味 |
|---|---|---|
| 取得金額(元本) | 120,000円 | 12か月×1万円を入れてきた |
| 評価額 | 133,200円 | いま売ったらこの金額 |
| 評価損益 | +13,200円 | いまのところ11%のプラス |
※説明のための例です。実際の商品の実績ではありません。
この数字を当てにして使う予定を立てると、下がった月に計画ごと崩れます。下がった月に慌てないことと、上がった月に浮かれないことは、同じ話の裏表です。
しくみパパ
だからこそ、この画面を毎日見る必要がなくなります。
画面では、どの数字を見ればいいのか
| 知りたいこと | 見る数字 |
|---|---|
| いくら入れたか | 元本(買付金額・投資元本と書かれることもある) |
| いま売ったらいくらか | 評価額 |
| 増えているか減っているか | 評価損益 |
| どれくらいの割合か | 評価損益率(%で表示される) |
見るなら「元本がいくらまで積み上がったか」のほうが、自分の行動の結果として意味があります。
よくある質問
| 質問 | 答え |
|---|---|
| 評価額は1日に何回変わりますか | 投資信託は1日1回(基準価額が1日1回だけ決まるため)。株は取引時間中ずっと動きます |
| 元本が勝手に減ることはありますか | ありません。元本は「自分が出した額の記録」なので、減るのは評価額のほうです |
| 一部だけ売ったら、元本はどうなりますか | 売った分に対応する元本が差し引かれ、残った分の元本と評価額で表示し直されます |
| 評価損益率は何を割った数字ですか | 評価損益 ÷ 元本です。「入れた額に対して何%か」を表します |
| 分配金を受け取ったら、評価損益に入りますか | 受け取った分配金は評価損益の数字に含まれない表示が多いです。「受け取った合計」は別の欄で確認します |
| アプリと画面で数字が少し違うのはなぜですか | 反映のタイミングが違うことがあるためです。投資信託の値段は1日1回なので、更新前と後で差が出ます |
※画面の名称や表示のしかたは金融機関によって異なります。ここでは一般的な例で説明しています。
しくみパパ
新しい言葉が出てきたら、まずこの3つのどれに当たるかを考えるのが近道でした。
まとめ
- 元本=自分が出した額/評価額=いま売ったらいくらか/評価損益=その差
- 計算は 評価額 − 元本 = 評価損益 だけ
- 「評価」「含み」と付いていたらまだ確定していない。売って確定する
- 資産は財産の全体を指す言葉。投資している分だけの話ではない
- 資産の数字は借金を引く前か後かを必ず確認する
大事なのは数字を追うことではなく、その数字が「確定したものか、まだ動いているものか」を見分けることのほうです。ここを区別できると、下がった月に慌てにくくなります。
言葉の意味が分からないまま画面を見ていた頃は、数字が並んでいるだけで不安になっていました。3つの関係が分かってからは、何を見ればいいかがはっきりしました。
しくみパパ