借金があるまま投資を始めていいのか。金利で比べる考え方
しくみパパ
あとから調べ直したら、判断するための物差しがちゃんとありました。金利です。
- 借金と投資を比べるときの物差し(金利)
- 借金の種類ごとの金利の目安
- 「返済は確実に増える投資と同じ」という考え方
- 金利が低い借金の場合はどう考えるか
- 分割払いに金利はかかっているのか
- 私が返済を優先することにした経緯
結論から:比べるのは「金利」と「リターン」
投資をするか返済をするかは、気分や優先順位の問題ではなく、数字で比べられる部分があります。比べるのはこの2つです。
| 何の数字か | 確実性 | |
|---|---|---|
| 借金の金利 | 借りている間、確実にかかる費用 | 確実。相場が良くても悪くても同じだけかかる |
| 投資のリターン | 増えるかもしれない金額 | 不確実。増える年も減る年もある |
しくみパパ
リターンは、投資したお金が増えた分(減ることもあります)。
片方は必ず出ていく、もう片方は出るかどうか分からない。ここが根本的に違います。
つまり、確実に出ていく費用と、不確実な期待値を並べているという構図です。この非対称さを知らないと、「投資は増えるらしいから、返済しながらでもやったほうが得」という判断になります。私はそう考えていました。
そもそも金利とは(似た言葉と混ざりやすいところ)
言葉が3つあって、私はここも曖昧なまま使っていました。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 元本 | 借りた金額そのもの | 10万円借りたら、元本は10万円 |
| 金利 | 元本に対して1年あたり何%かかるかという割合 | 年15% |
| 利息 | 金利から計算された実際に払う金額 | 10万円×15% = 年15,000円 |
| 手数料 | 金利とは別に、回数や事務にかかる費用 | 分割手数料・繰上返済手数料など |
逆に言うと、元本が減れば、同じ金利でも払う利息は減ります。返済を進めると利息が軽くなるのはこのためです。
借金の種類ごとの金利の目安
同じ「借金」でも、種類によって金利はまったく違います。ここを一括りにすると判断を間違えます。
| 種類 | 金利の目安(年) | 性格 |
|---|---|---|
| リボ払い・キャッシング | 15%前後 | 最も重い部類。毎月の支払額が一定なので、残高が減っている実感が持ちにくい |
| カードの分割払い | 契約による(0〜15%程度) | 回数と契約で大きく変わる。手数料がかからない設定もある。後の節で詳しく扱います |
| 奨学金 | 0〜1%程度 | 無利息のものもある。借金の中ではかなり軽い部類 |
| 住宅ローン | 0.5〜2%程度 | 金額は大きいが金利は低い。変動か固定かでも変わる |
※いずれも一般的に見られる水準の目安です。契約の時期・会社・個人の条件によって変わります。正確な数字は必ず自分の契約書や明細で確認してください。ここに書いた数字で自分の状況を判断しないでください。
しくみパパ
「借金がある」の一言で片付けていたのですが、年15%と年0.5%を同じ扱いにしてはいけない訳です。
高金利の借金がある場合:返済は「確実な投資」と同じ
ここが、この記事で一番書きたかった考え方です。
年15%の借金を返すことは、「確実に年15%で増える運用」をしているのと同じ効果があります。正確には増えるのではなく「出ていくはずだった費用が出ていかなくなる」のですが、手元に残る金額で見れば同じです。
| 10万円を1年間どう使うか | 1年後の効果 | 確実性 |
|---|---|---|
| 年15%の借金を10万円返す | 払うはずだった利息約15,000円が出ていかない | ほぼ確実 |
| 10万円を投資に回す | 増えるかもしれないし、減るかもしれない | 不確実 |
※利息の計算方法(残高に対してどう計算するか)は契約によって異なるため、実際の金額は変わります。ここは考え方を示すための概算です。
※将来のリターンを保証するものではありません。投資の成果は市場によって変動します。
一方、借金の利息は相場に関係なく毎月かかります。不確実な期待と確実な費用を比べたとき、確実なほうを先に消す考え方には合理性がある、というのがここでの整理です。
しくみパパ
NISAのように非課税で運用できる制度もありますが、通常の口座では利益から引かれます。一方、返済で浮いた利息に税金はかかりません。比べるときはここも差になります。
金利が低い借金の場合はどう考えるか
ここは一つの答えがありません。「並行してもいい」という考え方と、「それでも返済が先」という考え方の両方があります。
| 考え方 | 言い分 | 弱いところ |
|---|---|---|
| 並行してもよい | 金利が年0.5〜1%程度なら、投資で上回る可能性がそれなりにある。返済に何十年もかかる借入では、その間まったく投資しないほうが機会を失う | 上回る保証はない。下がる期間が続けば、確実な費用だけが残る |
| それでも返済が先 | 借金が無い状態のほうが家計が崩れにくい。気持ちの負担も軽い | 低金利の借入まで急いで返すと、手元の現金が薄くなる危険がある |
※どちらが正しいという話ではありません。金利の水準・残りの期間・収入の安定度・手元の現金で答えが変わります。
金利の比較は「返済と投資、どちらにお金を回すか」の話であって、手元の備えを削っていい理由にはなりません。
分割払いに金利はかかっているのか
これは私も気になって調べたところです。分割払いには、手数料がかかるものと、かからないものがあります。
- 2回払いやボーナス一括など、手数料ゼロの設定があるカードもあります
- 回数が増えるほど手数料がかかるのが一般的です
- 販売側が手数料を負担する「分割払い無料」のキャンペーンもあります
つまり、「分割払い=高金利」とも「分割払い=無利息」とも言えません。契約ごとに違います。
しくみパパ
ここは推測で書けないので、「自分の明細と契約書で、手数料の有無と率を確認する」という一般論にとどめます。確認しないと比較の材料になりません。
- カード会社の明細(分割手数料が別立てで記載されていることが多い)
- 契約時の書面・申込画面の控え(実質年率が書かれています)
- 会員ページの支払い明細
私はどうしたか
ここからは一般論ではなく、私の記録です。
私は返済を抱えたまま積立を始めて、半年で止めました。金利で比べるという発想が、そもそもありませんでした。
| 返済の中身 | 毎月の返済額 |
|---|---|
| 講座 | 66,000円 |
| パソコン | 19,380円 |
| スマホ | 6,450円 |
| 合計 | 91,830円 |
| 残っている負債の合計 | 372,420円 |
手取りは360,000円なので、毎月の返済だけで手取りの約4分の1が出ていきます。この状態で「余った分を積み立てる」という決め方をしていたので、続くはずがありませんでした。
しくみパパ
実際は性格ではなく、家計の構造の問題でした。続かなくなった理由はいくつか重なっていて、返済を抱えたまま始めたことはその1つです。この記事で扱っているのは、その1つぶんの話です。
いまは返済を優先しています。ただし正直に言うと、率を比べて決めたわけではありません。毎月の返済が手取りの約4分の1あって、そもそも積立に回すお金が残らなかったからです。率が分かっていれば比べられたはずで、そこは今も宿題として残っています。
そのうえで、次のように再開する計画を立てました。
2026年11月から、毎月10,000円で積立を再開
返済の1つが終わる月に合わせました。返済に充てていた分がそのまま浮くので、生活の水準を変えずに始められます。積立の残高はいま0円です。
返済が終わるタイミングに合わせると、出ていく総額が変わりません。行き先が「返済」から「積立」に変わるだけなので、生活の実感としては何も変わらない。私にとっては、これが一番現実的な始め方でした。
※これは私の判断の記録であって、おすすめの順番ではありません。私は投資の専門家ではなく、いま学んでいる側です。金額や順番は、収入・支出・家族構成・借入の内容によって変わります。
よくある質問
| 質問 | 答え |
|---|---|
| 借金があるとNISAの口座は作れませんか | 作れます。口座開設と借入の有無は別の話です。作るかどうかと、いま買うかどうかも別に考えられます |
| 住宅ローンがある人は投資してはいけませんか | そうとは限りません。住宅ローンは金利が低い部類なので、並行する考え方もあります。ただし正解は一つではなく、金利と手元の現金しだいです |
| 繰上返済と積立、どちらを優先しますか | 考え方は同じで金利の比較です。ただし繰上返済には手数料がかかる契約もあるので、そこも含めて比べる必要があります |
| 借金を全部返してからでないと始められませんか | 全部である必要はない、という考え方が一般的です。優先度が高いのは金利の高いもの。低金利のものまで完済を待つと、時間だけが過ぎることもあります |
| 返済が苦しくて生活が回りません | 投資の前の問題です。金利の低い借入にまとめられないか、返済期間を見直せないかを、契約先や公的な相談窓口に相談する段階だと考えます |
まとめ
- 判断の物差しは金利。借金の金利は確実にかかり、投資のリターンは不確実
- 金利は種類でまったく違う。リボ・キャッシングは年15%前後、住宅ローンは年0.5〜2%程度が目安
- 高金利の借金の返済は「確実にその率で増える運用」と同じ効果。年15%を確実に出す投資は無い
- 低金利の借金なら並行する考え方もある。ここは一つの正解が無い
- 分割払いは手数料の有無が契約ごとに違う。実質年率を自分の明細で確認する
- 私は返済を優先し、返済が1つ終わる2026年11月から月10,000円で再開する計画
大事なのは「借金があるかどうか」ではなく、「その借金が何%なのかを知っているかどうか」のほうです。率が分かれば、比べられます。率を知らないままだと、気分で決めることになります。
正直に言うと、私は自分の返済の金利を意識しないまま積立を始めました。比べるという発想がなかったので、比べようがなかった訳です。いま同じ場所にいる方がいたら、投資を始めるかどうかより先に、明細を開いて率を確認するところからで十分だと思います。
しくみパパ
やり直せます。ただ、2回目は順番を変えました。